

ラブアンとは
マレーシアの経済特区であるラブアンは、法人税が一律3% の低税率であるほか、非居住者への支払いに対する源泉税免除などラブアンで事業活動を行う事業体への様々な優遇措置がある
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東マレーシアのサバ州の沖合いに位置する経済特区
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連邦直轄領
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人口約10万人
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アジアの主要都市との間に時差なし (日本+1時間)
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ビシネスと余暇の共存

ラブアンの事業体
ラブアンにおける事業体には下記のようなものがある
ラブアン法人の設立
01/
法人税
ラブアンに設立された法人は、マレーシアの税法とは異なるラブアン税法が適用され、事業内容により適用される法人税率が異なる
ラブアン事業取引 ⇒ 純利益(監査済み)に対して3%
ラブアン非事業取引(持株会社、ラブアン内の資産への投資収益など) ⇒ 免税
事業取引と非事業取引を行う場合 ⇒ 純利益(監査済み)に対して3%
また、2020年より下記の経済活動要件を満たさない場合は、ラブアン税法ではなくマレーシアの税法(法人税率24%)が適用される
《ラブアン税制を適用するための経済活動要件》
フルタイムの現地従業員数(2名)
年間最低事業経費 50,000リンギ
02/
個人所得税
ラブアン法人から給与所得・役員報酬を得る場合の個人所得税は下記のとおり。2020年までは給与所得に対しては50%の免税規定があったが、2021年以降廃止されマレーシアの所得税率と同じになっている
給与所得 (2021年以降)⇒
居住者:マレーシア所得税法の0~30%累進税率にて課税
非居住者:税率30%で課税
03/
源泉所得税
ロイヤリティ、利息、配当、サービスの提供にかかる支払で、ラブアン法人より非居住者等に支払われるものは免税
04/
キャピタルゲイン税(資産譲渡益課税)
ラブアン事業取引を行う法人、または事業取引と非事業取引を行う法人が会計上、キャピタルゲイン(譲渡益)として計上した利益は、他の所得と合算した税引前利益に3%の法人税が課税
05/
印紙税
ラブアン法人がその事業との関連で作成する契約書、株式譲渡にかかる文書、登記関係書類に対する印紙税が免除
06/
日本の外国子会社合算税制(タックスヘイブン税制)
税制の面で非常に有利なラブアンですが、日本から直接または間接的にラブアンに投資する場合、日本の外国子会社合算税制(タックスヘイブン税制)について考慮する必要があります。
外国子会社合算税制は、所得を税の低い国に移して課税逃れすることを防ぐため、経済実態のない外国子会社の所得を日本本体の所得と合算して日本で課税を行う制度です。以前は日本の税率と比べて著しく税率が低い国に対して適用されていましたが、平成29年度税制改において、より外国子会社の経済実体に即して課税する制度に変更されています。
具体的には、低税率国であっても正常な事業活動を営む法人については除外され(経済活動基準)、経済活動基準を満たしている場合でも受動的所得(パッシブインカム)と呼ばれる配当やロイヤリティなどの収入は比較的所得の移転が容易なことから、外国子会社合算税制の適用対象となる場合があります。また、地域統括会社など特例規定を満たす場合には持株会社でも適用除外とすることができます。
尚、外国子会社合算税制は法人だけではなく、日本の居住者である個人についても対象となります。
ラブアンの税制は、OECD主導の税の国際協調による影響を受け、ここ数年で目まぐるしく改正が行われており、より経済実体を持たせた運営が必要になっています。一方で、ASEANでビジネスを行う人や企業にとって、ラブアンは確立された法体系や広範囲にわたる商品やサービス、コストの効率性と柔軟性などのメリットが多くあります。ラブアン事業体の活用については、事前のタックスプランニングとラブアンを含むマレーシアの税制を随時アップデートすることが重要です。
事業展開 :マレーシア国外の事業や投資向け(オフショア取引)
使用通貨 :マレーシアRM(リンギ)以外の外貨(標準通貨はUSD)
株主 :最低一名
資本金 :最低1USD(就労ビザ取得の場合は別途規定あり)
取締役 :最低1名(居住要件なし)
会社秘書役:要(ラブアンに登録するラブアン信託会社)
会計監査 :要
ラブアンの税制
ラブアンの就労ビザ
ラブアン法人設立後、取締役や駐在員、その家族に対する就労ビザを申請することができます。就労ビザ自体はラブアンからの発給になりますが、そのビザでマレーシア本土での滞在が可能です
