

マレーシア個人所得税の確定申告について(2024年分)
個人所得税の確定申告受け付けが3月から始まります。2024年分個人所得税(給与所得者)の申告期限は例年と同じ4月30日、電子申告の場合は5月15日となっています。今回は2024年分個人所得税の確定申告について概要をまとめます。 1. 申告書の様式を確認 申告は電子申告(MyTaxポータル: https://mytax.hasil.gov.my/ )で行います。申告書は居住者または非居住者であるかによって様式が分かれ、居住者についてはさらに給与所得のみであるか、もしくは事業所得など複数の種類の所得があるかによって分かれます。 申告フォームの種類 自身が居住者または非居住者であるかはその年におけるマレーシアの滞在日数により判定し、下記のいずれかを満たす場合、居住者となります。 居住者・非居住者の判定基準 帰任時に行うタックスクリアランスでは、赴任から帰任までの入出国履歴を提出します。マレーシアで納税している間はご自身で入出国履歴を記録しておくことをお勧めします。 2. 課税収入 税金は下記のように計算します。 (課税収入-所得控除)× 税率-税額控除 = 所得税額 課税収入は、給与収入の場合は雇用者から配布されるForm EA(源泉徴収票)がベースになります。他に会社が負担する住居、車、個人所得税などの現物給与も課税収入に含めます。国外から得ている収入等があれば、個別に課否判定を行い、課税となる場合、受領時の為替レート等を用いてリンギに変換し、課税収入に含めます。 3. 所得控除 居住者の場合、24年中に支払った下記のような費用を課税収入から控除することができます。支払いを証明するレシート等は監査や帰任時のタックスクリアランスで提出を依頼されることがあり、原則として 7 年間保存しておく必要があります。 2024年分個人所得税 主な所得控除一覧:居住者のみ Tax Reliefs | Lembaga Hasil Dalam Negeri Malaysia 4. MyTax ポータルによる一元管理 現在段階的に導入されているe-invoice(電子インボイス)制度をはじめ、税務行政の電子化が進んでいます。MyTaxポータルでは、個人所得税の申告・納税のほか、自身が会社の取締役であれば「雇用者(employee)」「会社(company)」の機能も合わせて入っており、同ポータルを通して会社の法人税や源泉所得税の申告・納付も行うことができます。未納や追徴税額がある場合、その情報はポータル上に表示されるとともに入国管理局にもリンクしており、未納金額によっては出国差し止めの警告が出されます。よく言えば便利になりましたが、税務リスクをより意識した納税管理を行うことが重要になってきています。
