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電子請求書制度(e-Invoice)のアップデート

2024年8月以降、大企業から順次導入を開始している電子請求書制度(e-Invoice)ですが、今年2月の政府の発表時点では2万5,173社が導入しています。政府が定める導入フェーズに沿って7月には多くの企業が導入することになります。今回は、最近のe-Invoice のアップデートについてまとめます。 1.中小企業への導入延期・免除  e-Invoice の導入フェーズは下記のとおりで、現時点では基準年度(2022 年賦課年度)の売上高2,500 万リンギ超の事業者が導入しています。政府は今年2月に追加のガイドラインを発表し、年間売上高が50万リンギ以下の中小企業の導入義務を6カ月間延期し、さらには年間売上高15万リンギ未満の小規模事業者に対し、e-Invoiceの発行義務を免除するとしました。これによりe-Invoiceへの対応が免除となる小規模事業者は70万事業者程度と言われています。 ◇e-Invoice 導入スケジュール:25年2月改訂版 なお、2023年賦課年度以降に事業を開始した事業者は、年間売上高が15万リンギを超えた年 の翌年1月以降に導入することになります。 2.6カ月間の猶予措置  税務当局は、e-Invoice の導入負担を考慮し、1に記載した各フェーズの導入開始から6カ月間は下記の猶予措置を設けています。 (a) e-Invoice を個別に発行できない場合に、月次ベースで複数の請求を宛先ごとに一つにまとめてe-Invoice を発行する一括請求が可能 (b) 「製品またはサービスの概要」の入力欄に、取引に関する説明を任意に入力可能 なお、e-Invoice を順守しない場合、200リンギから2 万リンギのペナルティーまたは 6カ月以内の禁錮刑、またはその両方が科せられるとしていますが、この猶予期間中は対象外となります。また、上記の猶予措置を利用せずに導入する企業は、e-Invoiceへの投資(ICT機器/ソフトウエア等)に対する税務上の減価償却を通常の3年間ではなく2年間で加速償却を行うことができます(25年賦課年度まで) 3.事業形態、取引に応じたe-Invoiceの発行を    e-Invoiceの発行は、通常の売り上げの請求だけではなく、Credit Note、Debit Note、Refundも対象になります。また、海外との取引など相手先がe-Invoiceに対応していない場合には自己請求(self-billed e-Invoice)を行い、自己請求は費用の証明としても用いられるなど、企業のあらゆる取引に対応させる必要があります。現在、e-Invoiceは税務当局が提供する「MyInvois」ポータルか、自社の会計システムにリンクするAPI(Application Programming Interface)を用いた形態があり、事業や取引形態に応じて両者を併用することも可能です。 デジタル省傘下のマレーシア・デジタルエコノミー公社(MDEC)は、企業の事業運営のデジタル化を目的としたイニシアチブの一環として、企業がPeppol(*)フレームワークを利用したe-Invoiceの導入オプションも提供しています。Peppolは日本でも電子インボイス制度における標準仕様として導入が進みましたが、マレーシアでもe-Invoiceをきっかけに業務効率化や海外取引の促進を見据えたPeppolの導入が進んでいくことも期待されています。 *Peppol(Pan European Public Procurement Online):電子化した請求書などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための世界標準規格。

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