Malaysia
マレーシアでビジネスを行うにあたっての法規制についてまとめます
2021年度より海外の中古建物への投資にかかる不動産所得の計算方法が変更になります
これまで富裕層の節税スキームとして問題視されていた、海外の中古建物への投資にかかる不動産所得の計算方法が2021年分の個人所得税確定申告分より変更になります。 現在: 海外中古建物投資からの賃貸収入がある場合、その所得の計算にあたり、建物の減価償却費に使用する耐用年数は通常であれば使用可能年数を見積って計算しますが、その見積もりが困難な時は簡便法を適用することができます。 (例)海外にある築30年の中古建物(法定耐用年数25年)に1億円の投資を行い、年1,000万円の賃貸収入あり。既に法定耐用年数を経過し、耐用年数の見積もりが困難であるため、簡便法を適用して減価償却費を計算 簡便法を適用すれば多額の減価償却費が計上されるため、この制度を利用し不動産所得を赤字にすることで、他の所得の利益と相殺させる節税方法が問題視されていました。 2021年分確定申告より: 不動産所得の計算で、海外不動産投資の収支が赤字の場合、その赤字額にかかる海外中古建物の減価償却費は損失として認められなくなります。 なお、損失として認められなかった減価償却費の金額は、不動産譲渡時の利益で相殺することができます。
2022年 最低賃金令:月額1,200リンギから1,500リンギへ
マレーシア人的資源省は、4月27日に最低賃金令(MINIMUM WAGES ORDER 2022)を公布し、最低賃金は月額1,200リンギから1,500リンギへ変更となりました。 新最低賃金は、5月1日以降適用されます。従業員が5人未満の小規模企業については、12月31日まで猶予され、2023年1月1日からの適用とすることが可能です。 月額1,500リンギへの変更による、日給、時給のレートは下記のとおりです。 前回の見直しは2020年に行われ、その時は1,100リンギから1,200リンギへの上げ幅でしたが、今回はそれを上回る上昇率となりました。産業界からは反対意見も多くありましたが、政府は物価の上昇などを理由に推し進められました。 2011年国家賃金評議会法では、最低賃金の見直しは2年ごとに行われるべきとしています。
2022年労働安全衛生改正法(OSH改正法)の適用開始 2024年6月~
2022年労働安全衛生改正法(OCCUPATIONAL SAFETY AND HEALTH (AMENDMENT) ACT 2022:OSHA) が6月1日から適用開始になりました。 旧法では製造業等の特定業種が対象範囲でしたが、改正法では原則マレーシア国内の全ての職場環境にその対象が広がっており、違反に対する罰則が強化されています。 雇用主は本改正法を理解し、対応を講じる必要があります。 1.適用業種の拡大 旧法では、製造業、建設業、卸売業、小売業などの特定の業界にのみに適用されていました。改正法では、原則としてマレーシア全土のすべての職場に OSHA の適用範囲が拡大されています。 2.リスク評価の実施義務 雇用主は、職場の安全と従業員の健康に影響を及ぼすリスクについてその評価を実施する義務があります。リスク評価により、安全と健康のリスクを排除または軽減する必要があると判断された場合、その対策を講じる必要があります。 3.労働安全衛生コーディネーター(Occupational Safety and Health Coordinator)の任命 5人以上の従業員いる場合、雇用主は従業員の1人を労働安全衛生コーディネーター(SHC)に任命することが義務付けられています。このコーディネーターを中心にして、職場の安全と従業員の健康を確保するための施策を組織内で決定し、実行していくことになります。この要件は、労働安全衛生責任者 (SHO) を必要としない職場に適用されます。 4.請負業者および下請業者の安全確保義務 職場に請負業者や下請業者などの従業員が発注者の指示の下で働いている場合、発注者はその従業員の勤務中の安全と健康を確保する必要があります。 5.緊急時の手順策定およびその実施 雇用主は、業務中に発生する可能性のある緊急事態に対処するための手順を策定し、実施する必要があります。 6.より厳しい罰則規定 改正法では、下記のような安全違反に対する罰則が大幅に引き上げられています。 職場での従業員の安全、衛生、健康を確保しなかった場合、または安全衛生ポリシーを確立しなかった場合の罰金の最高額を RM50,000 から RM500,000 に引き上げ 一般的な違反(OSHA第51条)への罰金の最高額を RM10,000 から RM100,000 に引き上げ。違反が継続した場合、罰金は違反が継続する日数ごとに RM1,000/日 から RM2,000/日 に増額 当局からの改善または通知に正当な理由なく従わなかった場合(OSHA第48条)の罰金の最高額を RM50,000 から RM500,000 に引き上げ。違反が継続した場合、罰金は違反が継続する日数ごとに RM500/日 から RM2,00/日 に増額 安全衛生委員会の設置を怠った場合の最高罰金を RM5,000 から RM100,000 に引き上げ、最長懲役刑を 6 か月から 1 年に延長 安全衛生担当者の任命を怠った場合の最高罰金を RM5,000 から RM50,000 に引き上げ 7.会社が違反した場合の個人への責任 会社がOSHA に違反した場合、より広範囲の個人が連帯責任および個別責任を問われる可能性があります。これには次の個人が含まれます: 取締役、コンプライアンス担当者、パートナー、マネージャー、秘書、または会社内の類似の役員 上記と同様の立場で行動する、または何らかの立場で企業の業務を管理する責任を負う個人 会社の経営を支援する個人 OSHAでは、これらの個人が、当該違反行為が本人の知らないうちにまたは本人の同意なしに行われたことを証明できず、違反行為を防ぐためにあらゆる合理的な予防措置を講じ、相当の注意を払ったことを証明できない限り、違反行為の責任を負うとしています。
2022年度 予算編成に向けての税の方針(2022 Pre-Budget Statement)
財務省は、10月末に発表予定の2022年予算の編成に向けての方針を8月31日に発表しました。今回は、その中から税に関する概要についてまとめます。 1. 2021年予算の現状 コロナへの対策に追われた2021年は、過去最大となる3,225億リンギ規模の予算が組まれました。その中で、税収予測はGDP(国内総生産)の10.3%にあたる1,621億リンギを予定していましたが、今年7月時点での徴税達成率は57%(922億リンギ)となっています。税収を含めた上期の歳入は前年同期比で4.6%増となりましたが、一方で追加刺激策により歳出は5.7%増加しています。結果として、当初5.4%を目標としていた財政赤字のGDP比率は6.5~7%に修正され、財政赤字は拡大しています。 IMF(国際通貨基金)が予測しているマレーシアの2022年経済成長率は6%となっており、マレーシア中央銀行が下方修正した2021年の成長率3~4%と比較しても伸びが予想され、経済回復によりある程度の歳入増加は見込めるものの、徴税と課税システムの強化を進めることにより税収を安定化したいとしています。 2. 徴税強化のための戦略 2021年以前の予算において、既に課税ベースを広げることで国民から広く税収を上げられるような対策が徐々に講じられており、具体的には関税の対象品目拡大や、観光・宿泊税(Tourism Tax)の導入、移転価格文書の未作成に課されるペナルティ、などが始まっています。本方針では、引き続き課税ベースの拡大を進めること言及したうえで、2022年予算に向けては下記を検討しているとしています。 (1) 間接税の自主申告プログラム(SVDP:Special Voluntary Disclosure Programme) SVDPは、2019年予算で行われたもので、2018年11月から約一年の間に、過去において税を申告していなかった、もしくは過少申告していた納税者が自主的に申告を行えば、調査で把握された場合より低いペナルティが課されるというプログラムで、当時は所得税など直接税に対して行われました。今回は、関税やSST(販売サービス税)などの間接税に対して同様のプログラムが行われることが計画されています。 (2) 税務コンプライアンス証明(TCC: Tax Compliance Certificate)の義務化 政府プロジェクトへの入札などを行う企業に、その企業が税務コンプライアンスを遵守していることの証明を提出することを義務化するものになります。 (3) 納税者番号登録の推進 2020年予算において、18歳以上の全マレーシア人に対し納税者登録の義務化を打ち出しましたが、その更なる徹底と脱税などの分析に活用を広げるとしています。 3. 課税システム強化のための戦略 中長期的に課税システムの強化を達成するために、下記の取り組みを行うとしています。 (1) 各税務インセンティブの見直し 政府は国内外の投資家に向け、マレーシアへの投資に対する税務インセンティブを設けていますが、マレーシアが今後も国際競争力を維持できるよう、ビジネスと経済情勢の変化に呼応したインセンティブの見直しを行うとしています。これには、国際的な税の協調要請への対応や、実務的なところでは税務インセンティブを巡る税務訴訟などの増加を防ぐための税務行政の強化も含まれます。 (2) 中期的な税収強化戦略(MTRS:Medium-Term Revenue Strategies) 政府は、GDPの成長率に比例して税収を上げられるような戦略を練るために、財務省を主導とした戦略チームを立ち上げ、税のポリシーと行政、法規制の3つの観点から議論を継続しており、その大綱は来年公表されるとしています。 コロナによる移動制限で税務署の窓口が限定的になり、税の還付が遅れるなど税務行政も停滞していましたが、コロナが落ち着けば課税当局は実質的な徴税強化に向けて動くことが予想されています。企業は、過去の税務申告の内容や、グループ間取引にかかる源泉税の納付など、重要性の高いものを改めてレビューしておくことが推奨されます。
2023年予算に向けての方針(2023 Pre-Budget Statement)
マレーシア政府は、6月3日に来年度予算に向けての方針(2023 Pre-Budget Statement)を発表しました。政府が予算に向けての方針を事前に発表するのは2度目となりますが、これは行政の透明性と説明責任の向上に向けた取り組みの一環となります。 1. 基本方針 2022年予算ではコロナからの回復に向けた様々な施策を導入しましたが、2023年も引き続き、「国民の幸福」「経済回復」をより安定的で持続可能なものにすることを基本方針としてあげています。特に、これからの立ち直りが期待される旅行業界や、経済のベースを支える中小企業に対するサポートをより強化していく方針を打ち出しています。 税収に関しては、2022年予算では約1,700億リンギもしくはGDPの10.5%相当の税収目標を掲げていますが、今年1~4月までの実績では、直接税で目標の35.8%、間接税で39.4%を達成しており、これは予定より早いペースで、後半も経済の回復スピードに伴って堅調な税収が期待されると見ています。 2. 税収に関する戦略 コロナからの回復を後押しするため、2022年予算では総額62億リンギ規模の減税措置を個人・法人に提供しました。一方では脱税等を阻止するため、18歳以上の全国民に対する税務番号登録の義務化や、税務当局の銀行口座情報へのアクセス強化、新たな源泉所得税の導入などを進めています。 2023年の予算に向け、税制改革について政府は下記の3点について対策を進めていくとしています。 a. 国際的な税の動きへの対応 国際取引のデジタル化に伴い、その課税についてはOECDをはじめ各国の税務当局がその対策を急ぎ進めていますが、マレーシアも国際的な動きに沿った対応を進めていくとしています。本方針では、OECDが提唱している下記の2点について、マレーシアでの具体的な導入について技術的な検討を行うとしています。 ① 多国籍企業グループの利益を、その売上の発生源となる国々で何等かの数式を用いて配分し、課税する方法(例:ソーシャルメディアの国別ユーザー数等をベースに配分するなど) ② 多国籍企業グループが事業を展開する各国において、最低でも15%の法人税率(Minimum Rate)で法人税を課税することを徹底することでタックスヘイブン(軽課税国)に所得が移転することを防止する:適格国内ミニマム課税制度(Qualified Domestic Minimum Top-Up Tax)の導入 b. 税収増に向けた戦略(e-Invoicingの導入) マレーシアの次期5カ年計画である「第12次マレーシア計画」の中にデジタルサービス提供のためのインフラ強化を掲げていましたが、それに伴い税務行政のデジタル化を推進するとしています。具体的には、納税者のコンプライアンスコストを削減するためe-Invoicingを導入し、2022年予算で発表された税務番号登録の徹底と合わせて税の捕捉を強化するとしています。 c. 税制・税のシステムの強化 税制改革評議会(Tax Reform Committee)による提言を引き続き導入していき、特にマレーシアとクロスボーダー取引を行う海外の納税者を含むより広い納税者を捕捉すること、税務職員のトレーニング強化による税収増を掲げています。
2024年 会社法の改正:実質的支配者(Beneficial Owner:BO)の届け出
2024年4月1日に会社法が改正されました。 その中で、マレーシアの会社登記所(CCM/SSM)に登記されている全ての会社は、改正法に沿った基準で会社の実質的支配者(BO)を特定し、e-BOS(https://ssm4u.com.my/?0)から届け出を行う義務があるとしています。 1. 実質的支配者(Beneficial Owner:BO)とは BOとは「会社を最終的に所有または支配する自然人」である、としています。BO情報の保管義務自体は既に導入されており、毎年会社の年次報告を行う際に、会社秘書役がBO情報のアップデートを書面にて行っているかと思いますが、本改正ではBOの判定基準を明確にし、届け出をe-BOSで行うこと、開示を怠った場合の罰金等のペナルティなどを新たに規定しています。 2. BOの判定基準 日本でもBOの報告制度はありますが、本改正で明確化されたマレーシアBOの判定基準は日本のそれと少し異なり下記の6つとなります。 この判定基準に沿えば、会社のBOは複数人になり得ます。判定基準の1、2は形式的なものですが、3~6は実質的な判定になり、会社は保有する関連書類や情報(株主間契約、定款など)を確認し判定することになります。判定の結果、該当者がいない場合は会社のシニアマネージメント層の人を登録します。 3. 名義株主の場合 マレーシアでは特定の業種に算入するには外資規制やブミプトラ規制があり、名義(ノミニー)株主が存在する会社も一定数あるかと思います。本改正のガイドラインでは、名義株主のアレンジがある場合に会社は実質的な支配者を特定し、届け出を行う義務があることを明記しています。今回の流れは、マネーロンダリングに関する政府間レベルの機関であるFATF(金融活動作業部会)勧告に沿ったものであり、今後は名義株主に加え名義取締役などの開示要件などにも着手していくものと考えられます。 日系企業の場合は日本の本社が株式や支配権を保有することも多いと思いますが、日本の本社が株主である場合でも、本社の最終の個人株主まで遡って報告します。BOに変更があった場合は14日以内に届け出を行います。BO報告は会社秘書役から依頼が来ると思いますが、本改正におけるBOの判定基準に沿って正しく報告することが求められます。
ASEANのM&Aにおける人事・労務デューデリジェンス(DD)のポイント
M&A のプロセスにおけるデューデリジェンス(DD)の中で、特に人事(労務)面で検討しておく課題にはどのようなものがあるでしょうか。 現地企業買収の検討を行う際に行われるデューデリジェンス(DD)について、特に中小規模のM&Aでは、人事・労務DDとして別個にDDを行うケースは多くはなく、労務コンプライアンスの観点は法務・財務・税務DDの枠内で行われることもあります。 1.労務の観点 例えば、DDにおいて多額の未払残業代が発見された場合、買収価格の減額要因となる可能性があります。インドネシアなどでは、会社のステータス(株主)の変更に際し、会社を退職する正社員に対し労働法上、退職金を支払う必要がありますが、実務上、労使交渉の結果、会社を退職しない社員に対しても、株主の変更時に退職金の支払いを余儀なくされる事例があり、そのリスクについてDDで把握・検討する場合もあります。 ASEAN各国の労働法は、全体的には労働者保護の強いものとなっている一方で、コンプライアンスの欠如により、監督官庁が指摘・制裁を与えるレベルは国によって異なります。DDのスコープについては、被買収企業が事業展開している国の法制度検討しながら決定する必要があります。 DDにおいて、労務コンプライアンス分野で把握する主な項目は下記のようなものになります。労働争議の状況などは国によって大きく異なりますので、特にストライキやデモなどの激しい国では、これまでの労使間の関係性(労働組合とのやり取りなど)も把握することが重要です。 ((労務コンプライアンスにおけるの主な調査項目) 監督官庁への報告義務 就業規則や雇用契約書などの法的効力・遵守状況 給与・残業代・手当・退職金と税金 社会保険料 労使関係・労働組合の状況・トラブルなど 2.人事の観点 人事の観点では、対象会社や事業の人事制度の実態を把握し、人事上のリスク等の有無を分析するために行う調査になります。この調査では、リスク等の把握だけでなく、その先のM&A成立後の統合プロセス(PMI)を見据えた項目をカバーすることが重要になります。 ASEAN の現地企業の特徴の一つとして、特定の社員(または幹部)が強い影響力を持っているなど、「組織力」よりも「個人力」によって現存のビジネスが成り立っているケース があります。その場合、買収後にマネジメントの体制が変更し、人材の流出が生じることもめずらしいことではありません。 人事制度や福利厚生制度、労務管理や労使間の関係性は、各国の法制に影響を受けるため日本の考え方が通用しないケースが多くあります。買収を検討するにあたり、対象会社の人事制度や給与体系などを理解し、買収後の総額人件費の水準把握や、給与水準の市場比較などを行います。 買収価格やPMIに影響を与えることが予想される項目は下記のようなものがあります。 ASEANでは、最低賃金の上昇率が毎年5%を超えており、国によっては上昇率が高水準で推移しています。離職率・転職率が高いASEANにおいては、対象会社の給与水準が市場と比較してどうなのかのベンチマークチェックを行うことは極めて重要です。
Covid-19 ワクチン接種プログラム「官民パートナーシップ産業予防接種プログラム(PIKAS)」
企業単位での新型コロナウイルスワクチン接種プログラム「官民パートナーシップ産業予防接種プログラム(PIKAS)」が6月16日から開始されました。政府がワクチンを無料で提供し、企業側がその経費を負担することになります。新規感染が工場や従業員宿舎といった職場で多く確認されている中で、PIKASの実施により製造業での感染拡大の押さえ込みに貢献することが期待されています。 1.概要 本プログラムは、製造業の場合貿易産業省(MITI)が、それ外の産業は各担当省庁が調整を行います。製造業では電気・電子製品、食品加工、鉄・鉄鋼、医療機器、石油・ガス・ゴム製品といった重要分野を優先するとしています。 2.実施場所および費用 ワクチンの費用自体は無料です。接種は、地域ごとに設けられる接種会場(vaccine centres (PPV))もしくは企業の工場内での実施(on-site vaccination)に分かれ、企業はワクチン接種のための運営コストまたは接種会場のコストを負担します。従業員一人あたり、接種ごとの費用は下記のとおりです。 3.実施要領 企業の工場内での実施(on-site vaccination) 少なくとも1,000人以上の接種規模で行われる。企業は近隣の企業と合同で接種会場を 設けることができる。グループ会社が合同で設置場所を選定することができるが、州 間移動を伴う場合は原則として認められない。 接種会場は、① Screening, ② Registration, ③ Consultation, ④ Vaccination および ⑤ Monitoringの5つのセクションが設けられるような十分なスペースを確保する必要 がある。事前にワクチンタスクフォース(CITF)と科学技術革新省(MOSTI)によるサイト の視察が行われ、設置に関するアドバイスと承認を行う。 接種会場での実施(vaccine centres (PPV)) 雇用者は、予め申請した日時に登録した従業員を接種会場に行くよう移動手段などの アレンジを行う。運営費は企業が現地のPPV実施者に直接支払う。 4.申請方法 ① 下記サイトよりフォームを入手し申請 https://www.miti.gov.my/redir/pikas/registrationform.html ② 接種会場、日時の決定 ③ 会社はPPV実施者との契約を行い、実施日の5日前までに支払いを行う ④ 接種日には従業員の接種会場までの移動手段を企業負担のうえ提供すること 5.FAQ Q:PIKASは全従業員への強制となるか A:強制ではないが、企業は職場での感染発生を防ぐため、従業員への接種を推奨する Q:従業員の家族もPIKASに参加できるか A:PIKASは従業員のみのプログラムであり、従業員の家族や知人の参加は認められない Q:従業員への接種日時の通知について A:従業員への接種日時は新型コロナ対策アプリ「マイ・セジャテラ(MySejahtera)」を 通じて各人に通知されるため、従業員はアプリで予めワクチンの接種予約登録を完了 している必要がある Q:接種予定日を変更できるか A:指定日に接種することを奨励するが、正当な事情で指定日に接種できない場合、1回 限り変更することができる。変更は保健省の電話 1-800-888-828で受け付ける Q:接種費用を従業員に負担させることはできるか A:できない。接種費用は企業の負担となる。
Covid-19に感染した場合の手順(SOP)に関するアップデート
6月29日、マレーシア保健省は、Covid-19に感染した場合の手順(SOP)を変更する旨発表しました。改訂SOPは7月5日以降適用されます。従業員が感染した場合の隔離等もこれに沿って対応することになります。 1.隔離期間を7日から5日に短縮 Covid-19に感染した場合、従来7日だった隔離期間が7日から5日に短縮されます。陽性結果判明日を「1日目」としてカウントし、5日間は隔離することになります。 2.マスクの着用について マスクの着用については、公共交通機関の利用時については「義務」ではなく「推奨」となります。Covid-19陽性者や医療機関を利用する場合は「義務」が継続されます。また、高齢者や慢性疾患のある人などは引き続きマスクの着用を「推奨」するとしています。 6月29日の声明によると、過去5週間におけるCovid-19新規感染者数は 5,801 人から 2,698 人に減少しました。 また、同期間のCovid-19による死亡者数も17人から11人に減少したとしています。医療機関における感染者の収容能力に関しては、感染者の医療機関受診数および病床使用率は減少傾向にあり、集中治療室の使用率は6%程度と安定している、としています。 WHO(世界保健機関)は5月5日、約3年3ヶ月続いたCovid-19を巡る緊急事態宣言を終了すると発表しました。マレーシア政府の今回の声明はこれを受けたものとなりましたが、政府は引き続きCovid-19の状況に関しては適切なモニタリングを行い、その時の状況に応じた策を打っていくと、しています。
Covid-19ワクチンアップデート
マレーシアのCovid-19ワクチン接種に関するアップデートです 人口の2.99%が接種完了(5月24日現在) ワクチン申請者数 10,503,752人、既接種者数 1,513,419人(5月22日現在) NPRA : National Pharmaceutical Regulatory Agency(国立医薬品管理局)承認済ワクチン → Pfizer Biontech(米国)、Sinovac(中国)、Astra-Zeneca(英国)の3種 ワクチン申請方法 → ① コロナ追跡アプリ「MySejahtera」 ② ウェブサイト (https://www.vaksincovid.gov.my/en/) ③ コールセンター(1800-888-828)。接種の約2週間前にアプリ、電話もしくはSMSで確認の連絡がある予定。Astra-Zeneca社のワクチンについては、感染が多い地区を対象とした接種キャンペーンを別枠で開催しており、上記のウェブで登録を受付けほぼ即日で定員に達するような状況。 マレーシアの宗教担当大臣は、イスラム教上のワクチン接種は許されるとし(ハラル or Non-ハラル問題)、サウジアラビア政府は、今年7月の聖地大巡礼(ハッジ)を計画する信徒に対し、ワクチン接種(PfizerとAstra-Zeneca)を必須条件とする方針を明らかにしている スランゴール州政府は、新型コロナウイルスワクチン接種の迅速化を図るため、民間企業がワクチンを自社で購入し、従業員に投与できるようにする独自プログラムの実施を提案(「Selgate Covid-19 Vaccination Programme」 https://vax.selangkah.my/ ) セランゴール州やペナン州の工場労働者を優先的に行い、ワクチン供給が予定通り進めば、年末までに接種を完了することが可能(アズミン・アリ上級相(兼通産相)) シンガポールはIATA(国際航空運送協会)・入国管理局とも連動したワクチンデジタルパスポートを導入。周辺国とも協議を進めており、マレーシア政府もシンガポールとの国境であるジョホールバルとの往来の全面再開を進めるべく、相互認証に向け動いている source: https://ourworldindata.org/covid-vaccinati
Covid-19ワクチンアップデート
マレーシアのCovid-19ワクチン接種に関するアップデートです(8月9日現在) 1回でも接種を行った人は(1st Dose) 15,536,215人、2回目の接種まで完了した人(1st & 2nd Dose)は人口の26%(8月7日現在)、政府は、成人人口の50%への接種完了を8月末に、全成人への接種を10月に完了することを目標に設定 ワクチン接種は、多い時には一日あたり50万人に達するスピードで進められており、クアラルンプールのあるクランバレー地域においては、条件や期間を定めたうえで予約なしでのワクチン接種も可能(ウォークインワクチン接種) マレーシアの新規陽性者の数は増加中 source: https://ourworldindata.org/covid-vaccinati 政府の定める出口戦略として、① 1日当たりの感染者数、② 公衆衛生システムの状況および集中治療室(ICU)の利用状況、③ ワクチンを2回接種した人の人口比率、の3つの指標で目標値を設定し、州ごとに目標を達成した時点で次の段階に移行するとしている 第2段階以降へ移行した州では、ワクチン接種証明書の提示を要件として、州を超える移動、レストラン等での飲食(1つのテーブルに対し50%の許容人数まで着席可能)などが可能としている【政府発表、8/8】 接種証明書は、アプリ「MySejahtera」からのデジタル証明になり、現時点で紙面による発行は予定されていない、専用ウェブサイトからの印刷も可能になる予定【COVID-19予防接種プログラム(NIP)、7/23】 海外から到着又は帰国するワクチン接種済の渡航者(マレーシア人および有効なビザを保有しマレーシアに自宅を持つ非マレーシア人)は自宅で強制隔離を行うことが可能【政府発表、8/8】 8月2日以降、マレーシア入国管理局駐在者サービス課(ESD)が、ロックダウンにより一時閉鎖中であった窓口を部分的に再開し、事前予約ベースでのパスポートへの認証手続き(エンドースメント)が可能となる 中国シノバック製のワクチンについて、現在確保分の供給が終了した段階で時点で使用を中止すると発表。今後は、米ファイザー製と独ビオンテック製が主流になる【保健省、7/15】 ワクチン接種を完了した医療従事者のうち、接種後に陽性となった人が2,779人。大半は無症状者と軽症者で、治療が必要な人は6人【保健相、7/14】 製造業向け ワクチン接種プログラム「官民パートナーシップ産業予防接種プログラム(PIKAS)」に続き、国内取引・消費者省は、小売業界向けに同様の接種プログラム(RiVAC)を26日から開始、約4,000社、200,000人以上の人が登録した【国内取引・消費者省、7/28】
Covid-19ワクチンアップデート
マレーシアのCovid-19ワクチン接種に関するアップデートです(6月25日現在) 人口の6.08%が接種完了(6月25日現在) ワクチン申請者数 16,321,185人、既接種者(1st Dose) 数 5,072,714人(6月25日現在) ワクチン接種プログラム「官民パートナーシップ産業予防接種プログラム(PIKAS)」→ read more.... ワクチン接種プログラム(PICK)第1段階(医療従事者など)、第2段階(高齢者や高リスク者)を経て、首都圏では6月21日より第3段階(18歳以上)に広げると発表。9月末までに人口の60%までの接種完了を目指す【カイリー・ジャマルディン科学技術相、6/21】 6月1日以降のロックダウン後、新規感染者数は減少傾向にあるものの、職場におけるクラスターは増加傾向にある。6月14日に報告された17の新規クラスターのうち、12は職場からであり、職場クラスターの累計は1,328件となっている。製造業が多く、感染者の内訳は、外国人が100,086人(68%)マレーシア人が46,954人(32%)。【ル・ヒシャム・アブドゥラ保健局長、6/14】 民間の病院におけるワクチンの有償提供は8月までに開始予定。政府発表では、民間病院が提供できるワクチンは中国製のみとしているが、協会側は「有償での提供は接種者が選択できるよう認可されたワクチン全ての選択を可能にすべき」との意見【The Star, 6/25】 (シンガポール)インド株の広がりで入国を禁止していた外国人労働者や外国人家庭内労働者(メイド)の入国許可を近く拡大予定。建設業界などが長期間にわたり影響を受けており、出発国のコロナやワクチンの接種状況を見ながら対策を講じた上で再開する。【The Straits Times, 6/24】 (タイ)ワクチン接種済みの外国人旅行者を隔離措置なしで受け入れるプーケット・サンドボックスを開始予定(7/1~)ワクチン接種証明など運用面での課題もあり。【Bangkok Post, 6/25】 (インドネシア)バリ島でワクチン接種付き観光パッケージを開始する協議が行われている。国内旅行者はワクチン接種は無料、外国からの旅行者は有料の予定。現在は国内感染者が再増加しており課題は多いものの、観光業の立て直しは喫緊の課題。【Jakarta Post, 6/25】 source: https://ourworldindata.org/covid-vaccinati