これまで富裕層の節税スキームとして問題視されていた、海外の中古建物への投資にかかる不動産所得の計算方法が2021年分の個人所得税確定申告分より変更になります。
現在:
海外中古建物投資からの賃貸収入がある場合、その所得の計算にあたり、建物の減価償却費に使用する耐用年数は通常であれば使用可能年数を見積って計算しますが、その見積もりが困難な時は簡便法を適用することができます。
(例)海外にある築30年の中古建物(法定耐用年数25年)に1億円の投資を行い、年1,000万円の賃貸収入あり。既に法定耐用年数を経過し、耐用年数の見積もりが困難であるため、簡便法を適用して減価償却費を計算
![2020年以前の簡便法による減価償却費の計算と損益通算](https://static.wixstatic.com/media/5f4e8c_d6e4fd8d0b584ebfbb4786898c454b74~mv2.png/v1/fill/w_508,h_405,al_c,q_85,enc_auto/5f4e8c_d6e4fd8d0b584ebfbb4786898c454b74~mv2.png)
簡便法を適用すれば多額の減価償却費が計上されるため、この制度を利用し不動産所得を赤字にすることで、他の所得の利益と相殺させる節税方法が問題視されていました。
2021年分確定申告より:
不動産所得の計算で、海外不動産投資の収支が赤字の場合、その赤字額にかかる海外中古建物の減価償却費は損失として認められなくなります。
![](https://static.wixstatic.com/media/5f4e8c_c0cf7515390a4b32981c4562c34378ee~mv2.png/v1/fill/w_305,h_184,al_c,q_85,enc_auto/5f4e8c_c0cf7515390a4b32981c4562c34378ee~mv2.png)
なお、損失として認められなかった減価償却費の金額は、不動産譲渡時の利益で相殺することができます。
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