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Malaysian Business Reporting System(MBRS)2.0 の完全義務化

  • 執筆者の写真: Michiyo Okubo
    Michiyo Okubo
  • 6月1日
  • 読了時間: 2分

マレーシア政府は行政のデジタル化を進めていますが、会社の登記関係を管轄するマレーシア企業委員会(SSM)が導入を進めているMalaysian Business Reporting System(MBRS)という報告プラットフォームを利用した財務情報の提出が2025年6月以降、全ての会社に対して義務化となります。今回は MBRS の概要についてまとめます。


1.Malaysian Business Reporting System(MBRS)とは

 

 MBRS は、SSMが会社に義務付けている各種報告をXBRL(eXtensible Business Reporting

Language)形式でデジタル申告するためのプラットフォームです。XBRLは財務情報等を国際的に標準化することで、その作成、流通、利用の促進を可能とするもので、上場企業の財務情報開示の標準形式として各国の証券取引所等で導入されています。財務データがXBRLという国際的に共通の形式で作成されることで比較可能性や検証性が高まり、情報の適時性、正確性、透明性の観点からもその拡大が期待されています。


2.MBRSを利用したSSMへの報告


 MBRS は当初18 年に初めて導入されており、下記の3 つのモジュールで構成されます。

下記の SSM への報告が MBRS を通して行われます。


(a) 年次報告(Annual Return):毎年、会社の設立日から30日以内に会社の登記情報をアップデートするもの

(b) 財務情報の報告(Financial Statement):毎年、監査後の財務情報を報告するもの

(c) 年次報告、決算情報の報告免除会社の申告


19 年 3月以降、(a)年次報告と(c)免除会社の申告についてMBRSを通じて提出することが義務付けられていましたが、25年6月以降、全ての会社は(b)の財務情報もXBRL形式で報告する必要があります。これにより、会社が SSM に行う定期報告は全てデジタル化されることになります。


3.XBRL 形式での財務情報の作成


 SSMへの財務情報の報告をMBRSを通して行うには、XBRL形式で財務諸表一式を作成する必要があります。この対応のためには、会社が現在作成している財務諸表の会計科目を詳細に定義し、XBRLの分類定義(taxonomy)に沿った分類と、会社の財務諸表の構成要素とを一致させる必要があり、導入時には専門的な知識と工程を要する可能性があります。


 会社法では、監査人が監査済み財務諸表(Audit Report)を作成し、株主が承認した後、30日以内に会社秘書役がそれをSSMに提出する流れになっています。XBRL形式に変更後も財務情報をSSM に提出するのは会社秘書役になるかと思いますが、会社がXBRL形式の財務情報を準備するのか、もしくは監査人や外部に委託するのかについては、事前に監査人や会社秘書役と検討しておくことをお勧めします。

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