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2026 年上半期の投資実績と優遇税制

17 時間前
読了時間: 3分

マレーシア投資開発庁(MIDA)は8月28日、2026年上半期(1~6月)の投資認可総額が前

年同期比11.7%増の2,185億リンギだったと発表しました。うち国内投資が42%、外国投資は58%を占め、日本からの投資は223億リンギで米国、シンガポールに次いで3位となりました。認可された投資案件数は2,746件で、99,030人の新規雇用を創出したと試算しています。


1.セクター別実績の特徴と優遇税制


 セクター別では、サービス業の承認額が1,496億リンギ(全体の68.5%)で最も高く、うちAIおよびデータセンター、クラウド投資等の情報通信(Information & Communications)への投資が1,033 億リンギと突出しています。製造業は513億リンギ(全体の23.5%)で対前年比では減少しているものの、国家半導体戦略(NSS)に基づき、電気・電子(E&E)や製造装置、輸送機器など高付加価値投資が拡大しています。一次産業・資源(全体の8.0%)承認額は176億リンギがMining(採掘・鉱業)への投資で、天然ガス開発や脱炭素エネルギー投資が牽引したとしています。


セクターごとの投資上位業種と優遇税制概要「MIDA-Malaysia Investment Performance」
セクターごとの投資上位業種と優遇税制概要「MIDA-Malaysia Investment Performance」

これらの業種に付与される主な優遇税制は、法人税の軽減税率と投資税額控除です。製造業は、今年3月に新投資制度(NIF:New Incentive Framework)に移行し、MIDAが設定する指標(NIA:National Investment Aspirations)をベースに設定した KPI (Key Performance Indicator)の達成レベルによりインセンティブを付与する制度に変更されました。一方で、情報通信分野はマレーシア・デジタル経済公社(MDEC)のガイドラインが適用されますが、これも成果に応じた優遇税制の付与体系になっています。資源・脱炭素に対しては、高付加価値化やCO2削減量・グリーン技術に対し、標準石油所得税の軽減やグリーン投資税額控除(GITA)、関税免除が適用されます。


2. 地域別実績の特徴と優遇税制


 上半期の地域別投資額のトップ5は下記のとおりで、セランゴール州は対前年比2倍、次いでジョホール・シンガポール経済特別区(JS-SEZ)を有するジョホール州となっています。


地域別トップ5(「MIDA-Malaysia Investment Performance Jan-June 2026」より)
地域別トップ5(「MIDA-Malaysia Investment Performance Jan-June 2026」より)

JS-SEZは特区独自の優遇税制があり、業種別の優遇税制同様、KPIをベースとした付与体系になっています。上位Tier(最優遇税率)を獲得するためには、「国内サプライチェーンとの連携」や「高給雇用の創出」等が要件ですが、シンガポール隣接の立地ゆえに高付加価値な事業モデルを組みやすく、またシンガポールの高度な金融・法務・研究開発(R&D)機能と、ジョホールの土地・低コストインフラを組み合わせるビジネスモデルの確立が可能です。2027年1月にジョホールとシンガポールを結ぶ高速輸送システム(RTS)や、QR コードを使ったパスポートレス出入国管理の導入でよりボーダレスになり、投資への魅力が高まる環境がより整備されます。


マレーシア投資に対する優遇制度は大きく転換しています。従来型の投資規模によるものではなく、持続的な成果主義を採用し、会社が設定したKPIを確実に進め、それを継続して維持することが求められます。持続的に成果を維持するためのビジネスモデルに立地や環境の選択は必須であり、投資判断の重要なポイントになります。

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