top of page

マレーシア2027年度予算 税制改正案

11 分前
読了時間: 3分

2027年度の政府予算案が10月9日に発表されました。


1.2027 年歳入計画


26 年の歳入は予算設定時を上回る景気と世界的な原油価格の上昇により、当初予算を6%上回る3,636 億リンギと予測されています。歳入の77%を占める税収は前年対比8%増で、これは法人税と石油所得税の貢献度が高く、法人税は特にサービス業と建設業の企業収益の上昇、石油所得税は原油価格の上昇が寄与していると分析しています。


「2027 Fiscal Outlook and Federal Government Revenue Estimates」より作成
「2027 Fiscal Outlook and Federal Government Revenue Estimates」より作成

 27年の歳入は前年比4.7%増の3,808億リンギと見込まれています。税収増の根拠として、法人税は企業収益の安定的な上昇とe-invoiceの導入などによる徴税強化、個人所得税については継続的な賃金上昇と低い失業率が寄与するであろうとしています。本予算案では最低賃金を月1,700リンギから2,000リンギに引き上げることも提案されています。また、27年は観光イベント「Visit Malaysia 2026-2027」や第34回東南アジア競技大会(SEA Games 2027)がマレーシアで行われる予定であり、それに伴う個人消費の増加および売上・サービス税(SST)の税収増も見込まれています。


2.2027年税制改正案の要旨


税制改正案では36項目の改正が提案されました。低所得者・中所得層(Rakyat)と中小企業

(MSME)への手厚い支援が顕著に表れたものになっています。一方で、富裕層や大企業に対してはしっかりとした税収確保を求めています。また政府が注視する特定の社会課題(高齢化に伴う介護、教育、文化振興、エネルギー移行など)への支援にも配慮しています。


主な税制改正案(赤字は増税または要件の強化)
主な税制改正案(赤字は増税または要件の強化)

3.政府が目指す税収基盤の拡大


政府はここ数年、歳入を石油等の資源依存からより税収で賄うことに注力し、そのため課税ベースの拡大と徴税強化を目指してきました。対GDP比の税収割合は22年の11.6%から25年には12.8%へと持ち直しており、税収増を経済成長に依存するだけでなく、コンプライアンス向上と税制改革により持続可能なものにするとしています。主に、法人税ではe-Invoiceの段階的導入、個人所得税では18歳以上の全マレーシア人に対する納税番号(TIN)の取得義務などが税収の漏れ防止に寄与しているとし、SSTでは課税対象の拡大や税率の一部引き上げを行いました。


e-invoice は実質的に大企業のみにコンプライアンスが課されており、取引全体を網羅できず骨抜きになっているのでは、という指摘もありますが、政府は次の展開としてe-invoiceを法人税の損金算入要件とすることを検討しています。結果として、大企業と取引する中小企業にも自発的に e-Invoiceに対応せざるを得ない市場圧力が働き、将来的には税務当局が取引をデータとして捕捉する基盤は整っていくとみられます。e-invoice によって税務調査の効率化が向上しているのも事実としてあるのではないかと思います。

コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。
  • YouTube

6F TRIBECA, 215 Jalan Imbi, Bukit Bintang 55100,
Kuala Lumpur, Malaysia

Tel: +60 (0) 3-2724-7629

✉ info@mirai-malaysia.net

© 2021 by Mirai Consulting Malaysia SDN BHD (Registration No. 201601018172:1189108-D)

bottom of page