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ニューノーマル期のASEANビジネスと税務

更新日:2021年5月26日

コロナを経てビジネスの進め方に様々な変化が起きています。今回はニューノーマル期におけるビジネスの変化を税務の視点から考察します。

  • オンラインによるコミュニケーションの普及

 コロナ禍で人の移動が制限され、企業はオンラインによるコミュニケーションを余儀なくされましたが、その結果オンラインでも議論や意思決定ができることを実感し、またその手軽さにも慣れつつあります。業種によっては人の採用からトレーニング、業務までオフィスに行かなくても完結できるような企業もあります。

 国境を越えて人材を雇用する場合、実際の指揮命令は従業員と同じであっても、給与とするか外注とするかでは税務上の取り扱いが異なります。契約形態は会社と本人の税務メリット・リスクを考慮して設計する必要があります。また、人を他国に長期間配置して営業活動などを行う場合にはその国で税務上のPE(恒久的施設)とみなされ、その国で生じた利得に対して課税されるリスクもあるためあわせて検討が必要です。

  • Eコマースの発達

 コロナを機にモノの売り方が実店舗からEコマースに少なからずシフトしているかと思います。売り方が変われば、営業・マーケティングのあり方も変わり、オンライン広告やウェブサイトの構築などデジタルマーケティングが重要になってくるほか、市場もASEAN市場全体を見据えたマーケティング戦略も視野に入ってきます。


 デジタル広告を含むサービスの輸入に対しては、マレーシアでは既に源泉税とサービス税が導入されていますが、ASEAN他国もEコマースやサービスの輸入に関する規定の整備や税制の強化を進めています。また、Eコマースを海外に展開する一環として他国に倉庫やサーバーを設置する場合、PE課税リスクの考慮も必要になります。

  • 地域統括会社の在り方の変化

日系企業のASEANにおける地域統括会社は、総務、財務、人事などの「経営支援型」、「営業、マーケティング型」、「調達機能型」などが多く、そのほかには「研究開発・イノベーション機能」「グループ金融機能」などの役割も有している場合があります。コロナでサプライチェーンの多元化や現地調達で完結することの必要性が議論され、一方では前述したオンラインコミュニケーションの発達により統括会社を必ずしも一国に集中させる必要はなくなってきており、統括会社の考え方も変わってきています。日系企業の地域統括会社も欧米企業のように、域内子会社の資金管理や税務インセンティブを利用した税務最適化を視野に入れ、各機能に最適な国にそれぞれ配置することも考慮する時期にきていると思います。


 ビジネス形態の変化のスピードが速い昨今では、税制がそれに追いついていない部分はもともとありましたが、コロナを経てそのスピードは増しています。取引は簡単に国境を越えられるようになりましたが、超えた先の国の税制や租税条約にも留意しながら商流を軌道にのせることが重要です。


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